はじめに:読書が「心の栄養」になる理由
「自分に自信が持てない」「自分を好きになれない」
そんな悩みを抱えている人は少なくありません。SNSでキラキラした他人の投稿を見ては落ち込み、自分だけ取り残されているような気がしてしまう。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
自分の軸を育てる方法として、「読書」という選択肢があることを。
この記事では、読書が自己肯定感にどう影響するのかを、心理学的な視点や筆者の体験談を交えて解説します。
読書を通じて、自分を大切に思えるようになる過程を一緒に見ていきましょう。
そもそも「自己肯定感」とは?
自己肯定感とは、「ありのままの自分を認める心の状態」のことを指します。
他人と比べず、自分の価値を信じられること。失敗しても「自分はダメだ」と思わずに「成長のチャンス」と受け取れる感覚です。
心理学者ネイサン・ブランデンは自己肯定感を6つの柱で定義していますが、その中でも「自己理解」「自己受容」「自己主張」は読書と深く関係します。
読書が自己肯定感を育てる5つの理由
読書が自己肯定感を育てる理由を5つ紹介します。
今ちょっと心がしんどいなって人に届いてくれたら嬉しいです。
他者の視点を通して、自分を見つめ直せる
小説やエッセイを読んでいて、「あ、この登場人物、自分に似てるな」と感じたことはありませんか?
読書は他人の人生を追体験する行為です。
他者の視点を借りることで、自分の考え方や行動を客観的に見つめ直すことができるようになります。
→ 自分を俯瞰で見られる=自己理解が深まる=自己肯定感UP
知識が増えることで「自信」がつく
新しいことを学ぶたび、「知らなかったことを知れた」という小さな達成感がありますよね。
この“積み重ね”が、自己効力感(=自分はできるという感覚)につながっていきます。
自己効力感が育てば、「自分って意外とやれるかも」という感覚が自然と芽生えます。
読書はその最良のツールです。
自分の感情に名前が付けられるようになる
小説や詩を読んで、「これ、まさに自分の気持ち…!」と共感したことはないでしょうか?
読書は感情にラベルをつけてくれます。
言語化されることで、もやもやしていた気持ちが整理され、「自分は何を感じていたのか」がわかるようになります。
→ 自己理解の深化 → 自分を大切にする土台に
「共感」を通して孤独感が癒える
自分の悩みや苦しみを、まるで代弁するような文章に出会った時、心がスッと軽くなった経験はありませんか?
本の中には、あなたと同じように悩み、葛藤し乗り越えてきた人の声があります。
「自分だけじゃないんだ」
この気づきが、あなたを少しずつ癒し、肯定へと導いてくれます。
成長実感を得られる
1年前に難しく感じた本が、今ではスラスラ読める。
読書を続けていくと、自分の「変化」や「成長」を実感する場面が増えてきます。
この小さな成功体験の積み重ねが、自信や自己信頼につながるのです。
僕が読書で実際に変わった話(実体験)
実は僕自身、大学生の途中までは、ほとんど本を読まない人間でした。
自己肯定感もそこまで高くなく、「何をやっても中途半端」「どうせ自分なんて…」と内心思っていた気がします。
だけど、就活を機に自分をより理解するため、自己分析の一環として読書を本格的に始めました。
その結果、読書が次第に習慣となり、気づけば今では年間150冊以上読む読書家に。
読書を通じて、自分に自信が持てるようになり、SNSで自分の学びや感想を発信するようになりました。
今では「何があっても大丈夫」と前向きに思えるようになり、読書がどれだけ自己肯定感に影響を与えるか、身をもって実感しています。
読書を習慣化する3つのステップ
ステップ1:自己肯定感が上がる本を選ぶ
いきなり難しい本ではなく、読みやすく、心がじんわりあたたまる本から始めましょう。
おすすめのジャンルは以下です:
- エッセイ(他人の弱さに共感できる)
- 人生哲学系の本(自分の捉え方を変えてくれる)
- 成長物語の小説(登場人物に自分を重ねられる)
ステップ2:読む場所・時間をルーティン化する
読書を習慣にするには、タイミングの「固定化」がポイント。
- 朝のコーヒータイムに10分
- 寝る前のスマホ時間を読書に置き換える
など、日常のスキマ時間に組み込みましょう。
ステップ3:読んだ内容をアウトプットする
「わかったつもり」を防ぐためにも、SNSや日記で感想を書いてみましょう。
誰かに伝えるつもりで書くと、理解が深まり、記憶にも残ります。
また、他人と共感を共有できることで、さらに自己肯定感が高まるループに入れます。
読書×自己肯定感を育てるおすすめ本5選
自己肯定感を高めたい。
でもどうしたらいいのかわからない…
そんなときに手に取ってもらいたい本を5冊紹介します。
「自分を好きになりたい」「もっと楽に生きたい」
そんな想いを抱えるあなたにきっと届く1冊があるはずです。
自分とかないから
「自分らしさ」に悩むあなたへ
ぶっ飛んでいるのに、なぜか論理的。生きづらさがマシなる(かもしれない)
それが、東洋哲学。
「人生でやりたいことってなんだろう?」
「本当の自分ってなんだろう?」
そんな全・自分迷子に贈る、衝撃の哲学本がここに誕生。
すべての答えは、「東洋哲学」にあった!
無我、空、タオ、禅、他力、密教…
知れば知るほど、この世界や自分の見え方が変わってしまうのが東洋哲学の面白さ。
本書では、インド・中国・日本から、ブッダ/龍樹/老子/荘子/達磨大師/親鸞/空海
7人の哲学者たちの教えをご紹介。
あなたの悩みに合ったお気に入りの哲学者が、きっと見つかるはず。
そして、バトンは渡された
「愛」はバトンとして繋がっていく
家族よりも大切な家族
幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない〝父〟と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。
大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。
ここで唐揚げ弁当を食べないでください
不器用でも、生きづらくても、そんな日常も大切な思い出
作家・歌人として活躍の場を広げる小原晩(おばらばん)さんによる初のエッセイ集。
東京での生活を20編、関西に来てからの日々のことを3編収録。社会人一年目の夏、仕事をサボり食べた唐揚げ弁当のこと、亡くなった父と最後に食べた回転寿司、眠れない夜を少し明るくしてくれるおまじない、愛してやまない喫茶店で頬張るシナモントースト、目も眩んでしまうような恋のこと、女三人で始めた同居生活のこと…。自由で、まるで映画の短編集のようでもあり、ときどき足が止まってしまうけれど、それでも続いていく日々を愛したくなるようなエピソードが続きます。
一生懸命生きれば生きるほど空回ってしまうすべての人たちへ。
きりこについて
「かわいい」の呪いを解いて、本当の自分を取り戻す
美人なまぁまと、ハンサムなぱぁぱの間に生まれたきりこは、紛う事なきぶすだった。
とてつもないぶすなきりこだったが、両親から「可愛い、可愛い」と言われ、愛情たっぷりに育てられたことで自分は世界一可愛い女の子と信じ、また持ち前のリーダーシップで周りの女子を従え、皇女のような少女時代を過ごしていた。
しかし彼女の人生は、同級生のこうた君にラブレターを送った時から一変してしまう。
ぶすはお姫様になっちゃいけないのか?美しいことが正義か?
ルッキズムが蔓延る現代人の心に沁みる物語。
リカバリー・カバヒコ
何度でも立ち上がっていい。やさしく背中を押してくれる物語
5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。
近くの日の出公園には古くから設置されているカバのアニマルライドがあり、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。人呼んで“リカバリー・カバヒコ”。
アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。
誰もが抱く小さな痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。
まとめ 読書をして自己肯定感を上げよう
自己肯定感は、一朝一夕に育つものではありません。
だけど、読書という行為は、まさに「自分を大切にする時間」であり、「自分に耳を傾ける練習」にもなります。
あなたも、自分を好きになる第一歩として、本を開いてみませんか?
心がちょっと疲れたときは、ぜひ本の世界に旅に出てみてください。