「この本、読んでよかった…」
読書のあと、そんな風に心がふっと温まる瞬間ってありますよね。
でも、そんな本と出会えるのは奇跡みたいなもの…
最近では「どれもいまいち響かない」「途中でやめてしまった」なんて声もよく聞きます。
たくさんある中から「自分にぴったりな1冊」を見つけるのは、ちょっと難しい。
でも、いくつかの視点を持って本を選べば、「読んでよかった!」と心から思える本に出会える確率が一気に上がります。
今回は、年間150冊以上読む僕が実践している、「本当に出会えてよかったと思える本」の見つけ方を5つに絞ってご紹介します。
本当に心に残る本の共通点
そもそも「読んでよかった」と思える本には、どんな共通点があるのでしょうか?僕の経験や読書仲間の話から見えてきたのは、以下の3つです。
- 読後、感情が大きく動く(号泣、共感、衝撃など)
- 読後、ふとした瞬間に内容を思い出す
- 自分の悩みや今の状況に重なる
つまり、自分の「今の心」にフィットしているかが大切。
だからこそ、選び方を間違えると「良い本のはずなのに響かない」ということが起きてしまいます。
読んでよかった本に出会うための5つのステップ
今の気分や悩みを言語化する
「なんとなく落ち込んでる」「前向きになりたい」「恋愛ものを読みたい」など、自分の状態をざっくり把握することが大切です。
たとえば「疲れてるな…」と思ったら、「やさしい物語」や「癒し系」のワードで探すのがおすすめ。
読書好きのレビューをチェックする
SNS(Instagram・X)やブログ、noteには実体験ベースのレビューがたくさんあります。
「この一文で泣いた」「読後に立ち直れた」など、共感できる言葉があるかを基準に選ぶとよいでしょう。
「本屋大賞」や「SNSで話題」など共感されている本を選ぶ
自分に合うかは別として、「多くの人が読んでよかったと思ってる」本はやはり間違いないです。
特に本屋大賞や話題の新刊は感情を動かす力があるので、初心者にもおすすめです。
最初の3ページで判断する
書店や試し読みで3ページだけ読んでみて、「続きが気になる」「読みやすい」と思えたら購入しましょう。
難しすぎたり、感情が動かなかったりしたら、今はその本じゃない可能性が高いです。
「読後、誰かに話したくなるか」を想像してみる
その本を読んで、「友達に伝えたい」「感想を共有したい」と思えるかどうか。
これが、実は「本当に読んでよかった本」かどうかのサインです。
読んでよかったと思う本は、読後誰かに語りたくなります。
おすすめの「読んでよかった本」5選
最後に、実際に僕が「出会えてよかった」と心から思っている本を5冊紹介します。
カフネ
言葉にならない「愛」が「食」をきっかけに生まれる
一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。
やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添ってくれる。法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく。
流浪の月
常識や価値観を根底から覆させられる
最初にお父さんがいなくなって、次にお母さんもいなくなって、わたしの幸福な日々は終わりを告げた。すこしずつ心が死んでいくわたしに居場所をくれたのが文だった。
それがどのような結末を迎えるかも知らないままに――。
だから十五年の時を経て彼と再会を果たし、わたしは再び願った。この願いを、きっと誰もが認めないだろう。周囲のひとびとの善意を打ち捨て、あるいは大切なひとさえも傷付けることになるかもしれない。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。
新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
52ヘルツのクジラたち
読後、きっと人にやさしくなれる
52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そのためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
お探し物は図書室まで
あなたのお探し物もきっと見つかる
「お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?」
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。
自分が本当に「探している物」に気がつき、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。
方舟
ラストで精神がズタボロにされる…
友人と従兄と山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った家族と地下建築「方舟」で夜を過ごすことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、水が流入しはじめた。
いずれ「方舟」は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまでおよそ1週間。
生贄には、その犯人がなるべきだ。――犯人以外の全員が、そう思ったが…
まとめ 本との出会いを大切に
「読んでよかった」と思える本は、あなたの感情や人生にそっと寄り添ってくれる存在。
コツさえ掴めば、きっと「運命の1冊 」との出会いは増えていきます。
最後に、あなたにとって「読んでよかった本」ってどんな本ですか?
本との出会いが、少しでも豊かなものになりますように。