小説は読む意味がないよ。
ただの娯楽でしょ?
こういった意見をよく目にします。
確かに、小説はビジネス書や自己啓発本などの実用書と比較されがちで、それらに比べるとメリットが見えにくいと言えます。
しかし、小説でしか得られないメリットがたくさんあります。
この記事では、年間250冊以上、累計1000冊以上読む読書家の僕が小説の魅力を解説していきます。
小説が大好きな方も、普段あまり読まない方もぜひ最後までご覧ください。
結論:小説を読む意味はある!
小説を読むことで自分の知らなかった価値観を知れ、多様な価値観を受け入れられるようになります。
僕自身、これまでに500冊以上の小説を読んできましたが、明らかに多角的に物事を見れるようになりました。
小説には、普段自分が関わらないような境遇を持った登場人物たちが登場します。
基本的にフィクションではありますが、物語を通して自分自身の感情を可視化し、常識やモラルなど様々なバイアスを知るきっかけになります。
また、様々な境遇を持った登場人物の人生を追体験することで、いかに自分の物差しで世の中や人を捉え、判断していたかを思い知りました。
結果として、何事に対してもまずは受け止めてみることができるようになり、メンタルが安定するようになっています。
そのため「小説は意味がない」と断定するのは間違いでしょう。
なぜ小説を読む意味がないと言われるのか
なぜ小説を読む意味がないと言われているのでしょうか?
この章ではその理由を解説していきます。
実用的じゃないから
実生活ですぐに活かせるビジネス書や自己啓発本と比べ、小説は効果をすぐには実感できません。
これが小説が意味ないと言われる理由の一つでしょう。
確かに、ビジネス書は世の中で成功した人の仕事や生き方を分かりやすく学べるので直接的なスキルアップや知識の獲得につながります。
しかし、小説は答えがないからこそ自分なりの考えが養われて、共感性や読解力が身につきます。
ビジネス書などと比べ実用性がないからといって、小説は役に立たないことにはなりません。
読んだ作品が自分に合わなかったから
たまたま選んだ作品が合わず、小説は意味がないと結論づけてしまうケースもあります。
小説には恋愛やミステリー、SFなどさまざまなジャンルがあるので自分に合わないジャンルや作品を選んでしまうこともあるでしょう。
しかし、自分に合った作品は必ず存在します。
数冊読んで「小説は意味がない」と判断するのは時期尚早です。
自分に合った作品になかなか出会えないという方はこちらで相談を受け付けます。
映像作品と違って分かりにくいから
フィクションを楽しむなら、映画やドラマなどの映像作品の方が良いという意見もあるでしょう。
確かに、純粋にストーリーを楽しむという点では映画やドラマの方が優れています。
小説の場合、文字情報からその場の情景や登場人物の感情を想像する必要があります。
ある作品を読んで自分が主人公は嫌なやつだと思っても、他の人も同じ意見を抱くとは限りません。
要するに小説は解釈が自由なのです。
常に想像力を働かせながらストーリーを追っていくため、おのずと想像力が豊かになっていきます。
小説を読むメリット5選
この章では500冊以上小説を読んで僕が感じたメリットを紹介します。
価値観が広がる
小説を読むことで、自分とは違う考え方や生き方を知ることができます。
一つひとつの文章に注目するだけでなく、小説全体の雰囲気を味わうことで自分が小説の世界に移り住んだ感覚になります。
それによって価値観や世界観が広がることを実感しました。
最近では「多様性」に関する作品も増えているので、チェックしてみてください。
自分がいかに狭い常識に縛られていたかを思い知らされます。
語彙力・文章力が身につく
小説を読むことで、難しい言葉の意味を知り、さらにその言葉の使い方まで学べます。
小説を読んでいると、普段自分が出会ったことのない文章や表現が出てくるでしょう。
たとえば、川端康成さんの『雪国』では「夜の底が白くなった」という表現が出てきます。
「夜の底→闇に包まれた地面」「白→雪」と連想する必要がありますよね。
このように小説内の言葉を自分なりに解釈したり、意味を調べたりすることで柔軟な語彙力を養えます。
また、行間や言葉の綾を読み取る力も養われ、結果として文章力も身につきます。
想像力が養われる
小説の音や映像がないという不自由さが想像力を養うために効果的です。
小説を読む時、自然と頭に情景を思い浮かべながら読んでいますよね。
文字情報をインプットしながら、映像化するという二つの作業を頭の中で同時に進めることで脳が活性化され、感性が磨かれていきます。
想像力が身につくことで他人を思いやる気持ちも育まれ、コミュニケーション能力も高まります。
「リアル」が求められる時代だからこそ「フィクション」の世界を体感しておくことは大切です。
ストレス解消になる
小説を読むことで「悩みを抱えているのは自分だけじゃないんだ」と気持ちが救われます。
自分と同じような境遇の主人公に助けられたり、自分とは違う世界で悩み、成長していく主人公に勇気をもらえたり。
また、悩んだり決断に迷ったりした時に思い出す名言の宝庫です。
物語に入り込んで登場人物に共感できる小説は、ストレス解消効果が高いです。
他人の人生を擬似体験できる
読んだ小説の数だけ、さまざまな人生を体験できます。
自分と主人公を重ねて成功を体験すれば、実際に自分の成功イメージにつながります。
逆に、小説の中で失敗を経験すれば「自分はこうしないようにしよう」と反面教師にすることもできます。
自分とは違う人生を主人公に重ねて擬似体験できるのも小説のよいところです。
一生に一度は読んでほしい小説5選
これまでに500冊以上の小説を読んできた僕が、その中でも特におすすめしたい小説を厳選して紹介します。
夜のピクニック
学生時代の思い出が溢れ出して止まらなくなる一冊です。
学生さんにも、大人の方にもおすすめです。
特に事件が起きるわけでもないので、じっくり味わいたい方におすすめです。
星の王子さま
小さい頃に読んだことある!という方は多いのではないでしょうか?
大人になってから読むとまた違った視点で読み進めることができ、忘れかけていた大切なことを思い出すきっかけになります。
夢をかなえるゾウ
進路に悩む高校生、就活中の大学生、今の仕事に満足できない社会人の方など、あらゆる人に読んでいただきたい一冊です。
テンポよくストーリーが進んでいくので、読書が苦手な方、初心者の方にもおすすめです。
アルジャーノンに花束を
「本当の幸せ」について考えさせられます。
世界中で長年に渡り愛されてきた作品なので、海外文学入門の一冊としてもおすすめです。
正欲
読後、衝撃を受け今までの自分の価値観が根底から覆されるような作品です。
最近ニュースなどでも目にすることが増えた「多様性」を題材にした作品なのでぜひ読んでみてください。
まとめ:小説は意味ないという説は誤り!
この記事を通して小説が意味と言われがちな理由と小説のメリットを解説しました。
小説には、
- 価値観が広がる
- 読解力・文章力が磨かれる
- 想像力が養われる
- ストレス解消になる
- 他人の人生を疑似体験できる
など、さまざまなメリットがありました。
また、小説は人生をより豊かにしてくれる素晴らしい趣味の一つです。
最初に何を読むべきか迷った方は「一生に一度は読むべき小説」の中から選んでみてください。
「どうしても活字が苦手…」という方は、「聴く読書」がおすすめです。
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